先に結論
- ・ 「178万円の壁」は、主に本人の所得税の話です
- ・ 税法上の扶養判定の目安は、給与収入 136万円です
- ・ 19歳以上23歳未満は、197万円以下で特定親族特別控除の対象になり得ます
- ・ 社会保険は別ルールです。年収だけでは断定できません
178万円の壁は何が変わったのか
令和8年分以後の所得税では、令和8・9年分の給与所得控除の最低保障が 74万円になり、 基礎控除も低所得帯では 104万円に引き上げられています。 この2つを合わせると、給与収入ベースで 178万円まで所得税が発生しない設計になります。
ただし、これはあくまで 所得税 の話です。 親の扶養判定や社会保険まで 178万円にそろって変わったわけではありません。 なお、令和8年11月までの源泉徴収事務は改正前の税額表で進み、年末調整で精算される点にも注意が必要です。
税法上の扶養は 136万円が目安
扶養控除の判定は、扶養される人の合計所得金額で見ます。令和8年分以後はこの基準が 62万円以下となるため、 給与収入だけなら目安は 136万円以下 です。
つまり、178万円まで所得税が発生しなくても、税法上の扶養判定は 136万円を境に別で見直す必要があります。
19歳以上23歳未満は159万円まで満額、197万円まで段階控除
19歳以上23歳未満の親族等については、特定親族特別控除の対象になり得ます。 令和8年分以後は、給与収入だけなら159万円以下で親の所得税の控除が満額となる目安です。 159万円を超えると、197万円以下まで段階的に控除額が減ります。
ここは「136万円を超えたら即ゼロ」ではなく、年齢要件に当てはまるかで扱いが変わる点が重要です。
社会保険は別ルール
社会保険の被扶養者認定や短時間労働者への適用は、所得税とは別の基準です。 現在は、被扶養者認定の年間収入要件が原則 130万円未満、19歳以上23歳未満の方は 2025年10月1日以降の認定分から 150万円未満に変わっています。
また、短時間労働者への適用は、年収 106万円という数字そのものではなく、週20時間以上、所定内賃金月額 8.8万円以上、学生でないこと、51人以上企業などの条件で見ます。
見方の順番
- 1. 所得税を見るなら 178万円ラインを確認する
- 2. 親の税法上の扶養を見るなら 136万円、19歳以上23歳未満なら 197万円まで確認する
- 3. 社会保険は年収だけで決めず、被扶養者認定と短時間労働者要件を分けて確認する